前回は「年末調整編1」として年内に処理しておくべき給与の事務処理について
お話しました。今回の2回目は年明け1月中にやるべきことについてです。


前回の時ににも少し触れましたが、給与担当者は年末調整が終わってほっと一息
というわけにはいきません。
1月には給与支払報告書(源泉徴収票)の作成、支払調書を税務署と各市区町村に
報告しなければならないという仕事が残っています。
これは従業員の数が多ければ多いほど面倒な作業となります。


源泉徴収票は基本的には源泉徴収簿を元に作成します。
源泉徴収簿は税務署から11月に送られてくる書類の中に入っていますが、
最近では給与計算ソフトで簡単に打ち出しが可能なため、手書きされる会社は
少ないようです。
もし、手書きされている場合はこの作業は年内に済ませておく方が良いでしょう。
人数によりますが、結構時間のかかる作業となります。


出来上がった源泉徴収票は1月末までに従業員に配布します。

また、市区町村にも総括表と合わせて送付します。
送付先は従業員の1月1日現在に居住する市区町村あてです。
これを元にその年の個人の住民税額が決まります。


同時に会社の所在地を管轄する税務署にも、法定調書と法定調書合計表を
合わせて送ります。ただし、この場合は全員というわけではありません。
従業員の場合は給与支払額が500万円を超えた人、役員については150万を超えた人が
対象となります。

このあたりの提出基準については税務署から送られてくる「手引き」に詳細が
載っていますのでご覧ください。


処理の流れ

@源泉徴収簿の作成

A源泉徴収票(給与支払報告書)の作成

B源泉所得税の納付

C従業員に源泉徴収票を配布

D市区町村に 給与支払報告書総括表・個人別明細書の提出
  税務署に源泉徴収票・法定調書の提出



これでようやく年末調整は完了ということになりますが、
ここで時々お問い合わせいただく相談についてお話しておきましょう。


数年前のこと、従業員100名を抱えるある会社の給与担当者の方から
お問い合わせいただいた例です。

その年の年末調整計算を行ない、給与の振込処理が終了してほっとした翌日に
ある従業員に子供が生まれたのだそうです。

ご存知のように、今年から16歳未満のお子さんについては税扶養の対象から外れる
こととなっているため今年であれば関係のない話ではありますが、
当時は年内の扶養家族の増加ですから、当然控除額が変わってきます。

年末調整がひと段落し、これでようやく年が越せると思った矢先に入った連絡だそうで、
「おめでたい話ではあるんですけどね。」と連日残業続きで疲れ気味の声をにじませながら、
電話をいただきました。

こういった例は他にもあります。
例えば珍しいケースですが、給与計算処理が終わったあとで従業員が結婚して
扶養対象配偶者ができた場合など。

よくある例では、住宅取得控除や保険料控除の申告もれなどです。
「処理が終わってから従業員が提出してくるんですよ。」と別の担当者の方はお怒りです。


このような場合には、年末調整のやり直しが認められており、1月末(支払報告書提出期限)
までに再計算すればよいこととなっています。


また仮にこの期限に間に合わなかった場合には、個人で確定申告すれば還付を受けることは
可能です。


ただやはり処理が終わった後からの再計算というものは面倒ですし、気が重いものです。
事前の確認や添付書類の提出は徹底するよう従業員の方々に周知しておくほうが良いでしょう。




【1月中にやっておきべき事務処理】

 ● 源泉所得税の支払(10日までに)
 ● 従業員への源泉徴収票配布(31日までに)
 ● 給与支払報告書の提出(31日までに)
 ● 固定資産税の償却資産に関する申告(31日までに)
 ● 個人の市県民税の納付 3期 (31日までに)
 ● 11月決算法人の確定申告・5月決算法人の中間申告(31日までに)
 ● 2.5.8月の決算法人の消費税中間申告(31日までに)