前回、3つの選択肢のうち、定年廃止の制度について触れ、
デメリットの多さから、導入には十分な検討が必要だというお話をしました。


専門家の中では、「定年は廃止すべきだ!」と強く訴えている人もいますが
政治的、社会的な整備が行われない限り、今の日本では難しいと私は考えます。



さて今回ですが、3つの選択肢の2番目にある継続雇用制度について
考えていきたいと思います。


これが最も現実的な制度ではないでしょうか。


継続雇用制度は次の2つに分けることが出来ます。

@ 再雇用制度

A 勤務延長制度


では、再雇用制度と勤務延長制度にはどういう違いがあるのでしょう。


最大の違いは、再雇用制度では、定年を迎えた時点で一度退職することにより、
いったん雇用条件はリセットされるのに対し、勤務延長制度は、退職せずに、
引き続き勤務を継続することになるため、雇用条件もリセットされないという点です。


では再雇用制度から見ていきましょう。


再雇用制度は現在もっとも多くの企業で採用されている制度です。
言葉だけなら知らない人はいないでしょう。


60歳で定年退職した後、65歳まで嘱託として再雇用する。


こんなイメージでしょうか。


ここで注意しておかないといけない点があります。


皆様の会社の就業規則にもこんな条文がありませんか?

第○○条 
定年に達した者であっても本人が引き続き勤務を希望し、会社が認める場合は、
定年退職後の翌日から嘱託として65歳まで再雇用する。

なお、会社が認める場合とは、次の各号の基準すべてを満たす者をいう。
@ 直近の健康診断の結果により、健康状態に支障がないと判断できる者
A 直近5年間において、出勤率が8割以上である者
B 直近5年間において、就業規則で定める制裁処分を受けていない者
C 直近5年間において、業務成績及び業務考課が平均以上の者


このように「会社が認める場合」の基準を設ける場合、就業規則に定めるだけではなく、
具体的な内容を盛り込んだ労使協定を結ぶ必要があります。


これは意外と結んでいない会社が多いようです。

労基署への提出義務はありませんが、必ず結んでおくようにしてください。



話を戻しますが、嘱託として再雇用する場合、各個人と契約を結び直すことになります。

一度退職しているわけですから、再雇用後の雇用契約は今までの契約内容とは
全く別ものになります。


ですので、今までの賃金、役職、職務、待遇などは全く考えなくても問題はない
ということです。※有給休暇だけは権利を引き継ぎます


とは言っても、何の根拠もなく、言わば好き嫌いで決めてしまうのは危険です。


希望者全員を再雇用するのであれば、なおさら会社としての仕組み、ルール作りが
重要になってきます。


シリーズ後半で改めて触れますが、
継続雇用制度には、就業規則や諸規程の整備は不可欠です。


このような社内規程に基づいて決められた新たな条件に対して、
本人が不満を持ち、自ら再雇用を拒否することになっても、
会社が何ら責任を問われることはありません。



会社は、雇用の機会を提供することを義務付けられているのであって、
同じ条件で雇い続けないといけないということではありません。


次に勤務延長制度ですが、
これはシリーズ第4回でお話した定年引き上げの制度と同じような内容で
混同しがちですし、中途半端ともいえる制度なので今シリーズでは割愛します。


よって、これからは継続雇用制度=再雇用制度だと思って下さい。



次回は再雇用制度のメリット・デメリットについて具体的な内容に触れていきます。


このシリーズのメインとなるところですので是非お楽しみに。