前回は再雇用制度のメリットについて触れました。

今回はデメリットを踏まえたうえで、制度の具体的な導入ポイントに
触れていきたいと思います。


再雇用制度は、従業員が定年年齢に達した場合、いったん退職させて、
新たに労働条件を設定して再雇用するものです。

「いったん退職する」ことで、これまでの雇用関係をリセットすることに
なりますので、労働者側からすると、労働条件が必ずしも本人の希望通りに
なるとは限りません。


むしろ希望通りにならないことのほうが多いでしょう。


従事する業務や雇用形態・勤務形態、処遇条件が変わる場合がほとんどです。

ただ、このあたりは本人もある程度自覚している部分で、
今までの再雇用者の状況等から容易に推測できるものです。


問題は予想していた以上に条件面が下がる場合です。



前にも触れましたが、再雇用時の労働条件は企業が自由に決めることが
できますが、合理的な裁量の範囲でなければなりません。


これは、ある意味きれい事で、実際にはかなり低い労働条件で
再雇用されている人もいます。


これではモチベーションが下がり、企業にとっても労働者にとっても
良い結果は生まれません。


企業として、再雇用制度を取り入れる理由は様々です。


世の中の流れがそうだから仕方なく、という理由もあるかもしれませんが、
せっかく取り入れるのなら意味のあるものにしなければなりません。


企業の目的は発展することです。


その目的のためにあらゆる手段を駆使しています。


再雇用制度もその手段の一つと捉えるべきでしょう。


再雇用後もこれまで同様、またこれまで以上に自社に利益をもたらして
もらえるか、そのための制度を構築していかなければなりません。



では、実際にどのような形で導入していくかを考えていきます。


まず決めないといけないことは、雇用形態と雇用期間の設定です。


雇用形態とは、おおまかに分類すると、正社員、契約社員、嘱託社員、
パート、アルバイト等です。


統計を見ると、嘱託社員が約7割と最も多く、逆に正社員のままという
ケースは1割にも満たないものとなっています。

正社員で働いていた人を定年を機にパートさん、アルバイトさんとは
なかなか呼びにくいですよね。

そういう意味でも嘱託社員が妥当かもしれません。


ただし、社内の身分は嘱託社員だとしても、それとは別に呼称についても
検討してみてはいかがでしょうか。

シニア社員、エルダー社員、エキスパート社員など、いろいろなネーミングが
考えられますよね。


たかが呼び方と思わず、ネーミングに工夫を凝らすことで再雇用者の
モチベーションを上げることが出来るかもしれません。



次に雇用期間ですが、大企業と中小企業で大きく分かれます。

大企業では、1年間と定めているのが約7割、期間を定めていないのが
1割に満たないのに対し、中小企業では、1年間が約4割弱、期間を定めて
いないのが約4割強となってます。

人材難に苦しむ小規模企業の現状が反映されているものと思われます。


では、どれくらいの雇用期間が妥当なのでしょう。


法律上、満60歳以上の労働者との間に締結される労働契約は
最長5年まで認められています。

しかし、5年間の雇用契約を結べば、実質65歳までの雇用を約束することに
なりますから、企業側としては負担とリスクが大きくなります。


一方、短ければその分契約更新の回数も多くなり、その分手続きや管理が
煩雑になります。


結論として、今後再雇用の対象者が増えることを考えると、
雇用期間は設けたほうが無難でしょう。

また、その期間は1年程度が妥当と考えますが、こまめに管理ができるのであれば、
6ヶ月単位で更新するやり方でもかまいません。


自社の現状にあった期間設定を考えてみてください。