前回、再雇用制度はWin-Winの関係でなければならないとお話しました。

企業は発展していくためにいろいろな策を講じます。

再雇用制度もその一つと考えなければなりませんし、
企業が取り入れた制度によってその人の人生は大きく変わります。


それほど人生において「定年」とは重要なキーワードですが、
では、他の国ではどうなのでしょう?


アメリカには定年制度がありません。

ありません、と言うと語弊があるかもしれませんが、
一般的に取り入れていない企業がほとんどです。


アメリカでは個人資産での運用益で老後を生活するのが一般的で、
その見込みができた時点で会社を勇退するのが理想とされています。

ところがリーマンショック以来、運用益が下がったために会社を
辞めるに辞められない状況が生まれてしまいました。


これがアメリカでの若年層の雇用を押し下げる原因のひとつになっています。



定年制度がないので可能な限り働き続けることができる。


一見、聞こえは良いですが、日本との決定的な違いは解雇の制限です。


日本では労働基準法の規程により、一般的に解雇するためには、
「客観的に合理的な理由」と「社会通念上相当であること」が
求められます。


一方、アメリカは解雇社会です。


「お前は今日でクビだ!」と言い放つ社長と、
それを聞いてそそくさと荷物をまとめて会社を出て行く社員。


海外ドラマや洋画でもよく見かけますよね。


最近は差別的扱いによる訴訟問題も多くなり、解雇を乱用する会社も
減ってきたという話もききますが、それでも日本とは比べものに
ならないでしょう。


年齢に関係なく、必要な人材は必要で、そうでない人材は不要。

まさに実力社会です。


このような背景もあって、定年制がないにもかかわらず、
60歳以上の労働者数の割合は日本よりも低くなっています。


一方、ヨーロッパの国々はと言うと、ドイツやフランスでは65歳定年、
イギリスは一昨年に定年制度を廃止しています。


世界各国で年金受給開始年齢の引き上げは避けられない問題であり、
これに伴い、定年引上げ、廃止の動きが活発になってきました。


日本においても例外ではありません。


近い将来、68歳や70歳にならないと年金が受給できない時代が
必ずやって来ます。


これに伴い、65歳までは希望者全員を雇い続けなければならなくなる
でしょうし、定年年齢そのものが引き上げられる可能性も十二分にあります。


シリーズを通じて継続雇用、再雇用制度のお話を進めてきましたが、
これはほとんどの企業に当てはまる問題です。

将来の事を考えて、また、その将来が決して遠くないものであるなら、
企業は早い段階で高齢者を雇用するための制度を構築しておくことが
重要です。


「なんとなく」ではなく「真剣」に取り組んでください。