健康保険の算定届の提出はお済みでしょうか? 
毎年7月10日が健康保険の算定基礎届の提出日(定時決定)となっています。
まだ出していない場合はお急ぎください。


さて、私たちが毎年この算定基礎届提出のため会社からお預かりした
賃金台帳で計算処理をおこなっていると少なからず見受けられるのが
月額変更届の提出もれです。(随時改定)


遡って月額変更届を提出すると当然その差額分がいっぺんに調整される
ことになります。
降給の場合なら払いすぎた保険料が返ってきますが、
昇給の場合はまとめて徴収されることになります。
従業員にも会社にも大きな負担となりますから注意が必要です。


随時改定とは、昇給や降給などで固定的賃金の変動によって報酬が大幅に変わり、
変動した月以降の3ヶ月分の報酬の平均額(報酬月額)を標準報酬等級にあてはめ、
現在の等級との間に2等級以上の差が出来た場合に、月額変更届を提出することです。



具体的には次のすべての要件に該当した場合に月額変更(随時改定)が
行われることになります。

@ 固定的賃金の変動や賃金体系の変動
  
  基本給・家族手当・役付手当・通勤手当・住宅手当など月単位で
  一定額が支給される報酬のことです。
   
  逆に「非固定的賃金」とは残業手当・宿日直手当・皆勤手当など
  稼動や能率の実績によって増減して支給される報酬をいいます。
  
  「賃金体系の変更」とは例えば日給制が月給制に、月給制が歩合制に
  なったり、子供が生まれたり結婚したりして家族手当や住宅手当が
  新たに支給されることになった場合をいいます。

  注意が必要なのは、引越しなどで通勤手当が変更された場合も該当してくる
  ということです。
  遠方に引っ越したため通勤手当が大幅に上がってしまい、随時改定に
  該当してしまったとぼやいている従業員の方に相談されたことがありましたが、
  上記のとおり通勤手当も固定的賃金ですので対象となります。


A 変動した月以降継続した3ヶ月間全ての月において報酬の支払基礎日数が
  17日以上あること

  変動月とは実際に賃金に変動のあった月のことです。
  例えば、遡って昇給し、昇給差額が支払われた時は、その差額が支払われた
  月から3ヶ月の平均額を算出します。


B 3ヶ月の報酬の合計額の平均額によって算出した標準報酬が、従前に比べ
  2等級以上の差があること。

  ただし、標準報酬月額の上下限が設けられているため、最高(低)等級の
  1等級下(上)に該当する人は、どんなに報酬月額に増額あるいは減額があっても
  1等級以上の差が生じないことになります。このような場合
  例外として1等級の差であっても、実質的に2等級以上の変動が生じた場合には、
  随時改定を行います。

  具体的には健康保険および厚生年金保険の2等級に該当する人の報酬が
  大幅に減額になった場合、健康保険の38等級の人及び厚生年金保険の29等級の人の
  報酬が大幅に増額になった場合等にこのようなケースが生じることとなります。
 

随時改定は3ヶ月の平均額によって標準報酬が決定されるので昇給や降給があった
からといってすぐに保険料が変更となるわけではありません。
実際に改定されるのは変動があってから4ヵ月後であり、給与からの控除額が
変更になるのは翌月引きの会社においては実に5ヵ月後からということになります。
ここが毎月の総支給額に料率をかけて算出する雇用保険料とは違うところです。


このように随時改定の処理は昇給や降給があってからタイムラグがあるため、
忘れてしまいがちですが、冒頭に書いたように忘れてしまうと後になって
痛い目をみることになります。ご注意ください。


また以前ご相談いただいた例ですが、ある会社で不景気でなかなかまとまった額の
昇給ができず、全員に一律3千円の昇給をおこないました。
3千円であれば2等級の変動には該当しないので、保険料も上げることはないだろうと
その社長さんは考えていたのですが、昇給した時期が繁忙期にあたっていたため
残業代が加算され、結局ほとんどの従業員が随時改定することになってしまいました。

このように固定的賃金の昇給が小額であっても最終的な支給額が大きければ
随時改定の対象となってしまいます。
算定の時にも触れましたが、昇給時期は出来るだけ繁忙期を外しておかれることを
お勧めします。



【8月中にやっておくべき事務処理】

● 個人事業税の納付 第1期 (31日までに)
● 6月決算法人の確定申告・12月決算法人の中間申告(31日までに)
● 個人事業者の当年分消費税の中間申告 (31日までに)
● 個人の道府県民税・市町村民税の納付 第2期 (31日までに)