ドイツにはコンビニエンスストアがないのをご存知でしょうか。
一部を除く商店はその営業を平日の午前6時〜午後8時までと定める「閉店法」という法律のためです。

 昼は労働して夜は休むもの。ウイークデーは労働して週末は休むもの。
というスタイルは、もはや国全体、社会全体にすっかり浸透してしまっています。
これは「労働は罰である」という聖書の教えを引きずっているのだと解釈する人もいるようです。

 この考え方は有給休暇にも当てはまるようで、ドイツは世界的に見てもトップクラスの年間34日という日数が付与されます。

 ドイツにおいては有給休暇に対しては「労働者の権利として全て取得するのが当然」という認識があり、年休を完全に消化していた労働者は63%。残る37%の労働者も残したのは3日程度で、年休消化率は95%に達しています。一方の日本は消化率38%で、日数にしてわずか5日。日本では経済的理由、同僚や上司の目を気にして取得しないという理由が大きいようです。

 さて有給休暇を取らないことがどのような影響を与えるかを調査した面白い資料があります。これによると 有給休暇を取らない労働者は、完全取得した労働者と比べて余暇や健康に対する満足度が低く、病気による欠勤も多かった一方で、翌年の時間給が2.8%高くなったとされています。つまり有給休暇を取らないことで健康面ではマイナスの影響が起こり、収入面ではプラスに働くというのです。

 有給休暇を取らないことで短いスパンでは賃金の上昇やキャリアアップが見込めるものの、長期的には生活の質が低下して病気になったり、そのことで欠勤が増えたりするなどの弊害が現れるのだ、とまとめられています。

 少々こじつけのような気もしますが、実際問題としてドイツは日本より年間労働時間が短いにもかかわらず、時間あたりの労働生産性が高いというデータからも、あながち信憑性がないとは言えなさそうです。

 メリハリを付けた働き方を実践し、休む時にはきちんと休むというスタイルが、日本がこれからも伸びていくためには必要な条件なのかもしれません。

 ●次回は「中国の過労死」を取り上げる予定です。