「自分は運が悪い」とことあるごとに嘆く人がいます。

確かに運は存在するかもしれません。
野球の試合でも勝敗は運に左右されることもあります。

だからと言って、すべてを運任せにするのは許されません。
運などに支配されないために、勝つためのプロセスを
作り出すことが大切になってきます。


プロセスを形づくる中心には「思考」があります。

人は、一旦眼にしたものを言語化して記憶し、それを後に取り出して
別な場面で関連付けることができます。
それは経験に裏打ちされた過去の情報でも可能です。

このような後天的な学習で得た情報を使ってなにかしらの
判断をすることが思考であり、まさに人間だけに備わった崇高な能力です。


そして思考、すなわち「ものの考え方」は、人として生きていくうえでの
起点となる概念です。

これによって行動が生まれ、習慣となり、やがて人格を形成し、
運命をもたらし、そして運などというものに左右されない確固たる
人生を作り上げていくのです。

ビジネスの世界においても、いかに若手を教育し、経験を積ませて、
「思考の重要性」に気付かせることが出来るかがリーダーに求められる
大切な役割となります。

では、思考の重要性を気付かせるのに最も効果的な方法はなんでしょう?


それは「権限委譲」です。

ごく一部の例外を除けば、ほとんどの人は仕事を任せられると
嬉しいものです。

会社から、または上司から信用された、信頼された、と感じるはずです。

また、任せられると、自分の頭で考えなければならないし、
それなりに苦労もします。
壁にぶち当たることもあるでしょう。

しかし、そういう過程を経ることによって、地力が付くというか、
初めて手に入れられる力というものがあるのです。

失敗するチャンスさえ与えられなかったら、自分の足で立てる力も
つきません。


まさに成長の機会を失うことになるのです。


とりわけ経営能力やリーダーシップ能力は実際にやってみなければ
身に付かないものです。

本を読めば経営学やリーダーシップ学の勉強はできても、
その能力は身に付きません。

イチローが書いた本を何百回と読んだところで野球がうまくならないのと
同じです。

何万回、何十万回と素振りをし、体力の限界まで走り込み、ノックを受け、
投げ込み、打ち込み、筋トレをしたとしても試合で結果が出るとは限りません。

それでも、自ら考え、血の滲むような努力を繰り返してはじめて
あのような一流プレーヤーになれたのです。


少し話が大げさになりましたが、スポーツやビジネスに関係なく、
人は自分が成長していると感じるときに大きな喜びを得るものです。

そのためにも、成長の機会を与えてあげることがとても大切になります。

繰り返しになりますが、成長の機会を与えるとは「任せる」ことです。

伸び悩んでいる企業は、往々にして次世代のリーダーが育っていない
ケースが見受けられ、これが成長できない要因の一つとも言えます。

新たなリーダーを発掘し、育てることが企業発展のカギになるのです。



 【今日の野村監督の言葉】

『人間が道を切り開く。道が人間を切り開くのではない。』