前回は人材採用後の「躾」についてお話をしました。
さあ、いよいよこのシリーズも後2回で完結です。
今回はこの文章をお読み頂いている方々の大多数が所属(あるいは経営)しているであろう
「中小企業」というものに光を当ててみたいと思います。

さて突然ですが、皆さんが考える“中小企業の強み”は何でしょうか。


よく言われるのが「意思決定の速さ」ですね。
大企業になると、あるアイデアが形になるまでに無数の検討、
承認(時に駆け引き)を乗り越える必要がありますが、
中小企業であればアイデアを思いついた瞬間から
実行に移すまでに乗り越える障壁はそれほど多くありません。

他には「コミュニケーションの深さ」もよく言われるところですね。
つまり大企業では部門や事業部ごとに様々なセクションが複雑に絡み合い、
内部コミュニケーションも会議や文章に頼らざるを得ない場面が多く見受けられます。
また、社長や役員に現場の情報が届くまでには何人もの人が間に介在するため、
必ずしも正確な情報が伝わっているとは限りません(伝言ゲームを思い出すまでもありませんね)。
ところが中小企業だと従業員と社長の距離も比較的近く、
直接フェイス・トゥ・フェイスでコミュニケーションを取ることが出来ます。
行間を読むなんて労力は必要ありません。顔と顔を付き合わせて言葉や表情で伝えるだけです。


その他にも、「小回りが効く」や「細かな顧客ニーズに柔軟に対応できる」等、
中小企業の強みをいくらでも挙げることができます。


さあ、ではいくつかある中小企業の強みの中で、
会社を元気にする為に必要な要素をひとつ挙げるとすれば何でしょうか。


それは「一体感」です。


互いの距離が近い中小企業こそ、フェイス・トゥ・フェイスの
コミュニケーションで社長の想いを皆で共有し、一体感を醸成することが可能なのです。
誰が何を考え、どう感じているをお互いに分かり合う。
そして同じ目標を見据えて、同じ方向を向く。

自分の会社がそんな風だったら…ちょっと想像してみてください。
いつもは眉間に皺を寄せながらだんまり働く隣の同僚が、
ハツラツと笑顔さえ見せながら働く姿が思い浮かんできませんか?

そんな素晴らしいチームになれるのは、中小企業なのです。


ただし大企業で働く人達は皆バラバラに好き勝手な方向を向いているかというとそうではありません。
実は大企業には人をコントロールする巨大な「仕組み」が存在していますので、
その「仕組み」の力によって“一定の範囲であれば”皆を同じ方向に向かせることは出来ます。
しかし「仕組み」は所詮作られた機械的な仕掛けです。
体温の有る「コミュニケーション」を上回ることはできません。
フェイス・トゥ・フェイスに勝つことはできないのです。


中小企業とは、あくまで資本金が少額であったり、
従業員が少数だというだけで、経営力まで低いという訳ではありません。

「大きいことはいいことだ」
そんなチョコレートのテレビCMが流行したのは、今からもう40年以上も前のお話です。
時代は流れ、バブルだって弾け飛びました。
巨大企業が次々と倒産していく姿を私たちは何度も見てきたのです。


今、「一体感」のある中小企業だからこそ、できることがあるはずです。


次回はついに最終回。「会社を元気にする秘訣」をまとめてみたいと思います。