就業規則には絶対的記載事項として退職・解雇がありますが、
今回はまず退職について触れていきます。

退職には任意退職と自然退職の二つがあります。任意退職とは一身上の都合による
退職(自己都合退職)で、自然退職とは定年退職や死亡退職が挙げられます。

まず任意退職ですが、任意退職の場合、あくまで社員本人の意思による退職に
なりますので、退職を希望する日の何日前までに会社に意思表示を示さなければ
いけないかを決めて下さい。
民法上では、退職願を提出して14日経過後に退職の効力が生じますが、業務の
引継ぎがままならない状態で退職され後任に任せる、というのは会社にとって
リスクでしかありません。
そこで、引継ぎに要する期間を考えた上で、退職を希望する日の何日前までに
退職願を提出させるのかを会社ルールとして考える必要があります。
3月31日に退職を希望するのであれば、その1ヶ月前だとか3ヶ月前には
退職願を提出させるわけです。
そして、その間に完璧に業務を引き継がせることになります。
中には引継ぎが完了せず会社に出社してこないケースもありますが、そういった
場合に備えて退職金を減額する等のルールを定めておくことも必要かと思います。

次に自然退職ですが、自然退職には定年退職であったり死亡退職、契約期間満了
による退職、休職期間満了による退職、役員就任による身分喪失、転籍出向による
身分喪失が挙げられます。
これらにはいくつかの注意点があります。

定年退職の場合、定年年齢を就業規則に記載しておく必要があります。
当然、労働基準法で定められている定年年齢を下回っていれば、それは定年退職
にはなりません。社員が同意していたとしても不可です。
契約期間満了の場合、契約の反復更新が常態化し、期間の定めのない契約と同じ
状態にあるときに会社側から更新拒否した場合は、解雇として扱われます。
これはしばしば起こることですので注意が必要です。
休職期間満了による退職の場合、あと1ヶ月休職しても復職できない場合は休職
期間満了により退職としますといったアナウンスを行っていた方が得策でしょう。


退職はトラブルとなりやすい箇所でありますので、細心の注意を払い、会社の
ルールを就業規則に記載しておくことが必要です。退職時にトラブルになると、
余計なエネルギーや時間を使うことになり会社にとって得はありません。
退職は社員との出口(最後)にあたりますので、最後こそ円満に終わらせて頂く
のがベストです。
そのためにも、あらかじめ就業規則に定めておくことが極めて重要です。
退職以上に気を遣わなければならないのが解雇ですが、次回は解雇について
見ていきます。