在職中、とりわけ従業員と一番密接に繋がっているのは「給与」であるのは
間違いありません。
就業規則上では、下記2点を必ず記載しなければなりません。
(絶対的記載事項にあたります)

1.給与の決定・計算・支払方法
  →給与体系、諸手当、割増賃金の計算式、端数処理の方法、
   支払の方法(月給制・日給制・時給制・出来高払いおよび賃金締切日・支払日)
   等を規定

2.昇給に関する事項
  →昇給の要件・判断基準・考課方法、昇給する時期を規定


給与体系や諸手当項目は会社ごとに様々ですのでここでは割愛しますが、
(気になる方はお問い合わせ下さい)
意外に知られていないことは、給与は「通貨で支払う」ことが原則とされています。
多くの会社では、口座振込により支払われていることが一般的ですが、
口座振込により支払う場合には、従業員の同意を得る必要があります。
ですので、原則として通貨で支払うが、同意を得られた場合には従業員名義の
金融機関へ振り込むことで支給するという規定が必要になります。

昇給に関する事項ですが、これは必ずしも「昇給しなければならない」という
わけではありません。
よくこの点を誤解されているケースをお見受けします。
ここで規定することは、昇給予定月であったり昇給条件(勤務状況・態度、
業務能力等)です。
昇給なしが原則であれば、その旨を規定しておけば大丈夫というわけです。

インターネットからダウンロードした就業規則や、労働基準監督署にある
就業規則サンプルでは、「毎年○月に昇給を実施する」といった規定になっています。
実際に昇給を行っていれば何も問題ありませんが、実態に即していなければ
非常に問題です。
またこの規定の内容では、会社の業績が悪くなり昇給を保留したい場合にも、
従業員には権利が発生し、会社は義務を負わなければなりません。
会社の業績が著しく悪くなった場合には、昇給保留だけでなく降給も考えなくては
なりません。
そういった最悪の事態を想定して、昇給だけでなく降給についても触れるのは
当然で、会社の業績が悪化した場合には昇給を保留もしくは降給することがある
といった規定も必要です。
これも意外と知られておらず、是非確認していただきたいと思います。


以上は、就業規則上で気をつけなければならない給与に関する事項ですが、
実際の運用面で皆さんが気にされている点に、割増賃金があるかと思います。

割増賃金は労働時間と密接に関係しており、両者を知らなければ意味をなさず、
両者の関係を知らないがゆえに残業代を多く支払ったということにもなりかねません。
そういったことを回避するためにも、割増賃金と労働時間について次回ご説明
させていただきます。