前回は会社経営の根幹であります「経営理念」について説明させていただきました。
これからは入社→在職中→退職の流れで進めさせていただきます。
第2回の今回は、入社の中でもスタートとなる部分「試用期間」について
一緒に見ていきましょう。


そもそも試用期間とは、能力や技術・技能、勤務態度や性格等を判断して正社員に
ふさわしいか判断する期間をいいます。採用前の数回の面接でその人を見抜くなんて
絶対にできませんから、一定期間を定めて試しに雇ってみる試用期間が設けられるのが
一般的です。

この試用期間は、採用された側からすれば不安定な立場にありますから、必ず期間を
定めなければなりません。長さについては労働基準法に定めはありません。一般的には
1ヶ月もしくは3ヶ月で、判例では長くても1年が限度とされています。


「試用期間中の解雇は自由ですよね?」試用期間という枠組みの中で多く寄せられる
ご相談です。答えは「No」です。比較的認められやすいだけであって、特に理由もなく
試用期間が終わったから解雇するというのは当然認められません。
試用期間中に適正を判断して、試用期間満了時に本採用を拒否する・・・
これも解雇となります。ですので、この場合も解雇の正当性が必要となります。

判例では、次のような事由が本採用拒否の正当な事由とされました。
 1.出勤率不良として出勤率が90%に満たない場合や3回以上無断欠勤した場合
 2.勤務態度や接客態度が悪く上司から注意を受けても改善されなかった場合
 3.協調性を欠く言動から正社員としての不適格性がうかがえる場合
 4.経歴詐称
 5.提出物の未提出

試用期間は指導・育成をする期間でもあるので、上記のような不適格事由があった
としてもいきなりの解雇は認められず、その期間中にどのような指導・育成をしたかが
ポイントになります。(始末書の提出を求めることで指導を徹底して下さい。)
それ以前に、試用期間が終わった後は正社員として活躍してもらうことが前提ですから
試用期間中の指導・育成は欠かせません。

ですので試用期間満了後に解雇とするよりも、一度試用期間を延長して再度適正を
判断することも効果的といえます。延長する理由や延長期間を本人に通知(何事も書面!)
することで試用期間の長さを柔軟に取り扱うことも可能となります。


入社してまず最初に迎えるのが試用期間であり、会社と従業員のスタートの部分に
あたります。スタートの部分だからこそ、きっちりルールを作って「うちの会社はこうだ」
と言える体制を作っておかないといけません。

試用期間の長さ、延長理由、解雇理由は就業規則上で規定すべき必須内容です。