今回は日本企業の海外進出についてです。

以前、海外ビジネスに詳しい先生方と雑談していたときの話です。
その先生によると日本企業が海外諸国との取引をはじめるきっかけは、
全て華僑にあった、というお話でした。

諸外国との取引開始の歴史を振り返ると、最初の情報源は、いつの時代も
現地事情に精通している「商社」で、政府等による現地視察も、まずは商社からの
情報収集からはじめる。
ベトナムやラオスの東南アジア諸国をはじめ、インド、アフリカ諸国も同様の手法で、
商慣行は勿論のこと経済・労働事情などの、商取引の基礎情報を掴むことから
スタートする。

そしてその商社は、というと「華僑」を追いかけて、人の集まる場所=情報の
集まる場所を世界各国で探しあて、現地情報を掴むことから商取引を行ってきた。
世界各国で日本商社が、新ビジネスの相手先開拓・展開をはかるときは、
華僑のある場所を目指して、大資本を投入してビジネス拡大をはかると言うのです。

それはもしかしたら結果論かもしれませんが、なるほどと感銘を受けました。

中国の方のエネルギッシュさは言うまでもありませんが、世界各国に中国ビジネス
が展開されています。

同国ビジネスでは、開放経済手法のひとつに「先富論」と呼ばれるものがあります。
パイオニアのうちの一人が成功すると次々と模倣をする。

成功した人・集団の模倣を続けていくことで、同じようなビジネスが流行ることに
なり、分かり易い例をあげると、ある人がレストランビジネスを成功させると、
このすぐ隣に別の人が全く同じようなレストランを建て、これがまた成功する。
その結果多くの人が集まりチャイナタウンを形成し、次々と他の都市へも成功者を
探しに行く。

日本の商社は、そのような華僑を探しながらビジネス拠点を模索して、各国文化・
言語・商取引慣行等のギャップに悩みながらも、それを理解・習熟して様々な
困難にも立ち向かって行ったはずです。

私たちはというと、外国人労働者の方へ日本のビジネスマナーや商慣行の説明を
する際は、その方の母国の習慣も話しながら説明することを心がけています。

日本へきたら、「ルールに従って」という一方通行の説明では、頭で理解しても
納得してもらうまでの道のりは遠いものです。
そのときに日本人も海外ビジネスを行う際は、その国の習慣を一生懸命理解して
実践しており、そのときの苦労話も交えながら話すと意外と共感を得られるもの
だと感じることがあります。