前回は雇用契約と労働契約についてお話しました。
今回は、その根本にある就業規則についてお話したいと思います。

会社にはなぜ就業規則が必要なんでしょうか?
社員が10名以上になったから労働基準監督署に提出義務があるので就業規則を
作成した、という企業は結構多いです。
本当にその理由だけでいいのでしょうか?
就業規則には絶対的記載事項というものがあり、賃金や労働時間・休日・休暇などの
会社から社員への約束事があります。これによって社員も安心して働く事ができます。

私どもは就業規則をその「法律上の理由」だけを考えて提案はしていません。

理由の一つは、企業には解雇や労働時間の問題など様々な問題があります。
そういった相談をよく企業から受けますが、そのような問題が多い企業に限って
就業規則をないがしろにしています。
社員に周知をしていないとか、周知をしていても不備だらけの就業規則の場合
などです。不備だらけだから周知していない、というのもあります。

もう一つは、就業規則には会社の経営理念が入ってくると思いますが、
それがないために「仕事ができる社員」が退職してしまう事です。
社員が10人入社したとして10人全員が仕事ができる事はまずないでしょう。
仕事ができる社員というのは、その10人の中でも「仕事を教えなくても仕事が
できる社員」の事です。
まずそういうできる社員のモチベーションを上げなければ、会社の業績は伴いません。
モチベーションアップを考えるのであれば働き方のルールや賃金・退職金に
関する事などしっかりと明文化されていなければなりません。

今の若い社員というのは、個人情報やらプライバシーなど「個人」というものを
非常に大事にします。企業経営者とは少し違った視点で物事を見ています。
ですから、「何も言わなくても大丈夫だろう」というちょっと昔みたいに
気持ちが通じるという事はない、と考えた方が無難です。

ですから余計に就業規則に経営理念、砕いて言えば企業経営者の考えを
入れなければなりません。明文化しないと社員に伝わらないからです。
法改正があったから変更するというものではなく、会社の10年後・20年後、
もっと言えば社員の10年後・20年後を見据えた経営理念を就業規則に入れる事により
仕事を頑張れる環境になり、業績が伸びていく事になります。
言い換えれば、就業規則は「未来への地図」です。