前回の新米人事担当者虎の巻では、「賃金・報酬」についてお話をしました。
今回は、その賃金に関する事の一つで「昇給」というキーワードに注目してみます。
この昇給というのは、まさしく給与が上がる事であります。
基本給(その他の手当でも有)が会社の業績や本人の能力・経験に基づいて
増額する事です。


昇給が必要な理由としては、まずは社員のモチベーションの維持です。
その他の理由としては、生活するための物価上昇に対応するため、生活水準の
上昇に対応するため、社員の会社に対する貢献度を反映するためなどがあります。

昇給の種類としては、定期昇給・ベースアップ・昇格昇給・各手当の改定
などがあります。

定期昇給とは、例えば1年ごとのように会社の規程によって定められており、
どちらかというと年功的な取り扱いになります。
「会社の規程によって」と書きましたが、会社の規程にきっちり記載されている
のであれば昇給の既得権が認められている、といっても過言ではありません。
ですから、これを変えるのであれば会社の規程を変更しなければなりません。

ベースアップとは、定期昇給とは違って賃金表の全体的な書換えになります。
よって、定期昇給とベースアップ2つ一緒に上がる事もあります。

昇格昇給は、まさしく役職が昇格した場合などで、各手当の改定は扶養親族の
変更により家族手当が増加した場合などです。


実際の話としては、零細中小中堅企業までにおいては、賃金制度にきっちりと
定期昇給を記載し運用しているのは、比率で言うと少ないように思います。
鉄鋼などの大手企業とは違う、という事になります。

しかも最近では、定期昇給やベースアップなどの全員上がるとか会社全体で上がる
という考えは薄れてきていますし、廃止論まで出てきています。
すなわち「全員上がる」「全体で上がる」と考え方ではなく、場合によっては
下がるケースもあり得るという事です。
ですから「必ず上がる」というキーワードよりは、「給与改定」という
キーワードに変わってきています。

ただしこの給与改定で下げる場合ですが、よく言われる不利益変更に該当する
場合があります。
給与改定を取り入れたからといって簡単に減給をしてしまうと、とんでもない事に
なるかも知れません。
減給は不可能ではありませんが、極めて慎重に物事を進めてください。