今回の「新米人事担当者虎の巻」は、賃金・報酬についてお話ししてみたいと思います。
よく賃金制度もしくは報酬制度と呼ばれる事があります。
報酬という単語で考えてみると、いわゆる「報いる」という言葉になります。
この報いるという言葉ですが、企業にとっては「何に?」対して報いるのか
はっきり決定しなければなりません。
いわゆるどのような職種・能力・年齢・経験年数に対して支払うのか
またはどのような組み合わせにするのかが問題になってきます。

具体的な例を挙げますと、能力においては上のランクになっているにも関わらず、
経験年数が少ないために報酬が極端に少ない場合などがあります。
そうなると制度としての一貫性がなくなり、不公平感が強くなり、社員のモチベーション
に影響する可能性があります。

もう一つの例を挙げてみますと、報酬の水準です。
同業他社と比べた場合に極端に差があった場合などは、優秀な人材の流出を招きます。
ただし、あまり給与水準が高すぎると、企業はその人件費コストにより経営を維持
できなくなるケースが出てきます。


そこで労働分配率という言葉があります。
これは企業が生み出した付加価値の内、どれだけ役員や社員の人件費として
配分されたのかを表す指標です。
 
※労働分配率 = 人件費(労務費)÷ 付加価値 × 100

これには全ての人件費、すなわち給与や賞与は勿論のこと、残業手当や
社員教育費も含まれます。
この労働分配率を同業他社と比べてみて、自社はどのくらいの水準なのか?
を確認する必要があります。
単純に考えてみて、人件費が高くなると労働分配率は上昇します。

もう一つ、労働生産性という言葉があります。
 
※労働生産性 = 付加価値 ÷ 社員数

これは、社員1人当たりどれだけ付加価値を生み出しているのかを表す指標です。
この労働生産性が低い場合にも労働分配率は上昇します。


労働分配率が高いと何がいけないのか?
企業規模や職種によって労働分配率の目安は変わってきますが、
経営分析をする上においては重要な数字となります。

ある統計においては、赤字決算企業の大半が労働分配率50%を超えている
というデータもあります。
50%を超えていて尚且つ赤字であれば、早急にその原因を突きとめる必要があります。

このように労働分配率が高くならないように、社員の報酬を適正に考えなければ
ならない理由はたくさんあります。
同業他社などの給与水準、労働分配率そして労働生産性の3つを総合的に勘案して
社員の報酬を決定する事が重要な課題となります。