「持ち帰り残業」

過去4回の内容で、労働時間の長さがメンタルヘルスに影響を及ぼすことをお話しました。

労働時間の長さを取り締まることは、利益率や生産性から鑑みて当然のことですが


「今日は早く帰りなさい」


この言葉が逆にプレッシャーになってしまう方がいるのも事実です。
その結果、社内では残業が出来ないので自宅に持ち帰って仕事をする
というケースも起こり得ます。


自宅に持ち帰って仕事をされた場合、その時間は労働時間となるのでしょうか?


そもそも労働とは、使用者の指揮命令により労務を提供した場合のことを指します。
社員が自主的に仕事を持ち帰って処理した場合は、労働時間とカウントしないのが通説です。
ただし、使用者が指示もしくは黙認・許容していた場合には労働時間とすべきです。

この取り扱いで残業代が必要か・必要でないかが決まってきます。


ただし、残業代とは別に「働きすぎ(過重労働)」の問題はリスクとして残ります。
持ち帰り残業による過重労働により自殺に至った件で、労災認定となった判例もあります。


残業代と労働時間は密接に繋がっていますが

「残業代を支払っているから問題ない」

これは大きな間違いです。



持ち帰り残業について、帰宅途中での書類紛失や自宅パソコンに会社情報・顧客情報が
残る、そこから情報が流出する等、最近では情報管理の点からも問題視されています。
これは、過重労働と併せてリスクが極めて高いと言えます。


持ち帰り残業は、どれくらいの時間働いているのか把握することが非常に難しいです。
情報漏洩防止(就業規則の服務規律に規定)からの切り口でも構いません。
会社の方針として、持ち帰り残業は原則として認めないことが第一でしょう。