「就業規則と休職」

これまでは「こういうことには気をつけましょう」と説明してきましたが、
気をつけても休職させざるを得ないこともあるでしょう。

皆様は「休職」について、ルールを就業規則に明記していますか?
明記していたとしても、その就業規則はインターネットでダウンロードしたり
労働局のサンプルだったりしませんか??

それらがダメとは言いませんが、良いとも当然言えません。
心の病による休職から見た、そう言い切れる要素は以下の通りです。



○休職期間が最長で1年6ヶ月

これは健康保険傷病手当金の最大受給期間と合わせているだけです。
対象者からすれば安心して休める長さですが、会社としていかがですか?
それだけの期間休ませても業務に穴が空きませんか?
まわりの社員はそれを見て何とも思わないですか?

会社としてどこまで休ませてあげられるのか、
さらに突っ込めば、社員別に休職期間を弾力的に運用できないか?
休職期間についてはここまで考えないと意味がありません。


○病院からの診断書

休職を発令する場合や休職期間を定める場合には、
病院からの診断書を基に会社が決定することになりますが、
このような内容の記載がないものがあります。

特に病院からの診断書について、社員の知り合いが医師である場合や
かかりつけの医師と懇意にされている場合、会社として知らなければならない
社員の心身状態を知ることができるでしょうか?
否、知ることは難しいでしょう。

社員の本当の心身状態を知るには、会社が指定した病院に行かせ、
そこで改めて診断書を求めるほかありません。

自殺であったり他の諸問題が生じたとき、知らなかったでは済みません。
会社としてやるべきことはやるということを見せましょう。


○繰り返し休職(欠勤)時における対応方法の記載がない

同一病名や類似の病名により欠勤を何度も繰り返すことがありますが、
これを引き締めるルールがないと、まわりの社員に対して悪影響が出ます。

「繰り返す場合は休職期間に通算します、だからしっかり治して下さい」
一見厳しく見えますが、この方が実は安心感を与えます。
会社としても中途半端な復職を拒否できることにも繋がります。


○復職の判断が曖昧

「休職前の職務を遂行できれば復職とする」という規定が多いですが、
いきなり100%を求めることは酷とも言えます。

言葉は悪いですが、上記規定を使って
「復職できないので休職期間満了による退職とします」
としたい場合には効果的でしょうが、安心感を与えたい場合には
リハビリ期間を設けてあげることも必要でしょう。
会社が必要としている社員であれば尚更です。

リハビリ期間について具体的に言うと、
・1日の所定労働時間を短縮してあげる
・所定休日の他に休日を与える
・業務量を少なくしてあげる
これらのうちどれかを採用することで復職当初は負担を減らしてあげる、
その結果心身の負担を軽減でき、完全な業務遂行につながりやすいといった
効果を生み出します。


これらは最低限就業規則に落とし込んでほしい事項でありますが、
自分たちで手を加えないとここまでのボリュームは出せません。

これらが曖昧だと、会社にとって必要な社員は不安感に襲われ、
乱暴な言い方ですが、そうじゃない社員は長期間休めて嬉しいと
考えてしまい、会社の意に反した結果にも陥りかねません。

うつ病や精神疾患が世間的に認知されている昨今、
休職に関するトラブルは増加傾向にあります。
それでいて就業規則上では事実と乖離しているため、
まったくもって意味を成さないということも少なくありません。

だからこそ休職規定は会社独自のものでないとダメなんです。
今回はそのことを知って下さい。