プロスポーツの世界における象徴は、ずばり高年俸ではないでしょうか。

プロ野球の契約更改時期になると、その金額の桁の違いに唖然とすることも
少なくありませんし、自分の言い分と球団の言い分が食い違い、問題となった
ケースもありました。

ここで着目したい点として年俸制度があります。

「年俸+出来高」

会社に置き換えて考えると、社員の給与が年俸になるということです。
(そのまんまだろうという突っ込みは禁句です。)

しかしながら、会社とプロスポーツの世界とは異なる部分が多くあり、
年俸制度の考え方を誤っているがために問題となるケースも少なくありません。



「残業代を支払わなくてもよい」

プロスポーツの世界では「成果(結果)」への対価として契約が締結されますが、
会社と労働者の契約であれば、成果のみならず労働時間という括りが付きまといます。

年俸を600万円と設定し、12ヶ月で除して1ヶ月50万円を支給するという
契約を締結しても、1日8時間を超えた労働に対する割増賃金は別途発生します。

それであれば、40万円を基本年俸とし、50万円の差額である10万円を
○○時間分の普通残業代として支給するという契約を締結した方がリスクは
抑えられるでしょう。


これとは逆に、年俸とは別に残業代を支払っているけれども
残業代の計算方法を誤っているというケースも散見されます。

先ほどと同じ条件で年俸を600万円とし、
これを16ヶ月で除して1ヶ月37万円5千円を支給し、残りの4ヶ月分150万円を
賞与として支給したとします。

この場合、賞与額が確定していますから、残業代の計算に含めないといけません。
つまり、1ヶ月50万円支給しているものとして残業代を計算しなければならない
のですが、誤っていることに気付かず、1ヶ月37万5千円として残業代の計算を
している会社もあります。


あくまで私見ですが、賞与とはあくまで利益の分配であり、
大した成果も残していないのに高額な賞与支給を約束するのはナンセンスです。


先に述べました「年俸+出来高」を参考にして、年俸部分は雇用契約で
約束するけれども、

「会社が考えている以上に成果を残せば出来高(賞与)を支給します」

この方が、会社も労働者もすっきりするのではないでしょうか?

この場合だと賞与額は確定していませんので残業代の計算に含む必要もありません。


年俸制度は考えようによっては会社にも労働者にもプラスに作用しますが、
誤った認識の中で運用すると会社にリスクだけが残る、諸刃の剣とも言えます。