〜セクハラ判例 〜

セクハラが社内で起こった・・・。
会社としては、すぐに対応しなければならないのですが、
起こってから対応すれば良いと思われていませんか?

答えはNOです。

今回は使用者責任が問われた、あるセクハラ事件の裁判例を
紹介したいと思います。



派遣社員Aが派遣先の会社社員Bにセクハラを受けた事件です。

AはBから、執拗に電話番号を聞かれたり、性的な言動を受けたり、
身体を触られるなどのセクハラ行為を受けていました。

その約8ヶ月後・・・

Aは夫に携帯のメールを見られて問いただされ、セクハラ行為がある
と打ち明け、夫がその会社に抗議をしたことから発覚し、Aは派遣元と
派遣先の会社を相手に裁判を起こしました。


なぜAは、このような男にメールアドレスが知られてしまったのかは
さておき、今回のケースは、メールにセクハラ行為の証拠が残っていて、
明白にセクハラ行為があったとして認定されています。

これまで述べてきたように、このBに万に一つでも性的な意図が
無かったとしても、受け手側のAが性的に不快感を感じて拒否をすれば
不法行為が成立し、社員への教育不行き届きとして、使用者責任が
問われることになります。


この裁判例で注目すべき点は、半年以上も続いたセクハラに対して、
派遣先の使用者責任が問われ、派遣元に違法性は無いと判断されたことです。

派遣先と派遣元で明暗がくっきりと分かれました。


派遣元は、派遣社員の労働環境を維持するために、

・派遣元社員2名で職場環境の維持のため見回りを実施
・意見箱を設置して派遣社員からの意見を受け付ける体制を整備

しており、

さらに、セクハラ行為が発覚した時にはAと派遣先の会社に対してすぐに
事実確認を行い、派遣先に対してAの要望を伝えるなど、セクハラの被害を
最小限に食い止めることをした上で対応をしたことが評価されました。


一方、派遣先ではセクハラを未然防止できるような体制を整えておらず、
Aの夫が抗議したあと1ヶ月の経過の後、Bを配置転換させるなど措置を
講じたのですが、時すでに遅しといったところでしょうか、慰謝料の
支払いを命じられました。

過去の裁判例では、すぐにセクハラ被害を無くす措置を講じなかったことで、
使用者責任を問われるケースがあり、事後措置は当然のことながら、
事前の対策も十分にしておかなければならない重要な判例だと言えます。


ハラスメントを社員の資質の問題として放置するのではなく、
起こるものだと考え、事前準備をしておくことが肝要ですね。